〜チコちゃんに叱られる!今更聞けない「植物工場」〜
5月16日(木)、県内外から15名の野菜ソムリエが集い、TX柏の葉キャンパス駅の近くに広大なキャンパスをもつ千葉大学に行き、実証実験中の植物工場を見学し、その後、薬草園の見学、学内で栽培収穫した野菜・加工品を直売所で購入、そして最後に、植物工場産野菜や地元農家の野菜を中心とした料理がいただけるイタリアン・レストラン「コメスタ」でランチをいただきました。この様子を、スタッフから報告します。
【報告#1】
今さら聞けないどころか。よく解る野菜工場見学@千葉大学柏の葉キャンパス
野菜ソムリエと工場栽培の野菜はどんな感じ??
システム管理された野菜工場の解説を熱心に聞く野菜ソムリエズ。
ランチはこちらで育った野菜を使っている「コメスタ」さんで。
実際に食べてから「工場産野菜あり?なし?」ありに挙手がたくさんでした。
知らずに敬遠しがちでも、知ってみると印象も変わります。
群馬、茨城、東京と遠くからご参加いただいた皆さま。
ありがとうございました。
野菜ソムリエコミュニティちば事務局 山根 景子
【報告#2】
下見で訪れたのが1年半前、それ以前に別の機会で2回見学しているので、今回のが4回目。見学の都度、施設の様子が変わっていて、日進月歩。最初に訪れた6年前は、人工光栽培施設で使われていた光源は蛍光灯でしたが、今では全てLED。そのLEDは、高価な農業用ではなく、安価な一般用で、低コストの栽培施設を研究しているとのことです。LEDの他、センサーやコンピューターも安価になってます。農業専用の大型栽培施設の他、小型設備が飲食店で見かけることが多くなりましたが、もっと安価なものになれば、冷蔵庫のように家庭のキッチンに置かれて、栽培されることになるでしょう。既に、そういう実証実験が行われてます(ました)。
個人的には、自然農法実践家として、野菜工場産の野菜って、どうなの?と感じてはいますが、世界での人口の増加や環境変動などに伴い食糧不足が危惧される時代にあっては、季節に依らず(冬でも夏でも)、場所(灼熱の砂漠でも極寒のシベリアでも)に依らずに、安定的に野菜が得られるようにするには、植物工場が必要です。
さらに、工業製品のように、同じ品質の野菜が常に栽培でき、計画通りに、出荷できる点は、実需者の食品メーカーにとっては、大いに助かります。そういう実需者の中には、コンビニがあります。説明員の話しによれば、サンドウィッチに使うレタスに求められる品質は、味や香り、栄養ではなく、兎に角、シャキシャキ感が第一だそうです。
病気を患っている方には、病状によっては、食事制限されることがあります。たとえば、腎臓病を患っている人には、カリウムやリンを制限する必要があります。そのように低カリウムの野菜は、十分に制御・管理された植物工場であれば、栽培、出荷することができます。そういう機能性野菜の栽培も、植物工場の利点になります。
野菜の品質について触れましたが、今、グローバルGAPが求められています。また、TPPなどの影響で、ここの植物工場には、中国やベトナムなどの東南アジアの国々から多くの関係者が見学に来ているとのことです。韓国から大量のパプリカが日本に来るように、将来、アジア諸国から色々な野菜、果物が来るようになるかもしれません。
ここの植物工場では、苗も、「苗テラス」という商品名の施設で作っています。今日の見学では、苺を種から苗を作っている、その現場で説明がありました。その苺は、日本で初めて実用利用されはじめた種子繁殖型イチゴ品種の「よつぼし」とのこと。従来、苺の苗は、株分けによって作ってますが、ここでは、完全プログラム制御で種から苗を作っています。
説明員からは、この報告には書いてませんが、もっと色々と興味深いお話を伺いましたが、割愛します。
1,2年後には、きっと、設備も変わり、新たな栽培法も研究されていることでしょう。その時には、また、訪れてみたいものです。そして、植物工場の現状や将来について、伺いたいものです。
予定を40分オーバーで植物工場見学を終えて、キャンパス内の屋外の薬草園を見学。漢方薬の主要な生薬でもある芍薬の花が満開でした。芍薬は、花を見て楽しむだけではなく、その根っこは薬になり、病気を治します。
そして、学内で栽培収穫・加工された野菜などを販売する直売所に寄って買物、最後に、植物工場産の野菜や地元農家の野菜を中心とした料理を出すレストランで遅いランチを頂きました。
今回参加できなかった方、このブログを読んで興味をもった方へ朗報です。大学側の都合で、平日開催になりますが、2回目の見学会を企画していく予定です。
野菜ソムリエコミュニティちば事務局 落合 修
野菜ソムリエコミュニティちば
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