【報告】インド巡礼の旅〜『精進料理』〜其の壱

昨年の秋、コミュニティちばの柏の畑にて、「アーユルヴェーダ収穫料理体験」イベントを開催しました。3月の前半、当イベントにお招きしたヨガ兼アーユルヴェーダ料理インストラクターらと共にインドに行ってヒンズー教のお寺(テンプル)や聖地を訪ねる機会がありました。そして、昨年の秋、高尾山・精進料理交流会を開催しましたが、今春、第2回目を予定しているおり、その関連からインドでの菜食事情(精進料理を含む)を報告することにします。
3月2日、11時半発のエアーインデアAI307便で、出発する予定でした。ところが、領有権を巡って紛争が生じているパキスタンとインドの間で、戦闘機が撃ち落とされる事態となり、前日の1日、デリー空港が一時閉鎖され、折り返して乗り込む飛行機が8時遅れ。その影響で、出発が6時間遅れの16時半となり、デリー空港には深夜到着の見込み。初日から波乱含みの旅になりそう。
デリーでは、空港近くのホテルに宿泊し、3時間ほど仮眠を取って、早朝、再び、デリー空港へ。フライトの遅れ、予約変更の混乱から、8時間ほど待って、最初の訪問先のコルカタ行きの飛行機に乗れました。まずは、機内食について、紹介します。

1.機内食

日本(成田)とインド(デリー)の間はエアインディア便で、インド国内(デリーとコルカタ)もエアインディア便で移動しました。今回は聖地を訪ねる旅(巡礼)ですので、先ずは戒律を守ることが大事。訪問先のテンプルの戒律では、食事は肉類・卵がNG、乳製品がOKの菜食です。そのためオーダーした機内食(エコノミークラス)は、ベジタリアン向けの”ジェイ・ミール”と言われるVJML(※1)。

(1)成田からデリー

ナスのカレー、カリフラワー&カシューナッツのサブジ、ターメリックライス、ナン、サラダ、デザート(スィーツ)

野菜サンド、フルーツ、フルーツゼリー

(2)デリーからコルカタ

ダールカレー(豆カレー)、クミンライス、チャパティ、ヨーグルト、デザート(何かのスィーツ)

(3)コルカタからデリー

ダールカレー(豆カレー)、野菜サンド、ワダ(ドーナッツ)、デザート(ラスグーラ?)

(4)デリーから成田

2色のカレー(緑のほうれん草と黄の何か?)、ターメリックライス、パン、サラダ、デザート(パティサ?)

野菜サンド、パン、フルーツ

(2)マヤプール

最初の訪問地は、西ベンガル州、隣国のバングラデシュの近くのコルカタ(旧カルカッタ)から車で4時間のマヤプール。ここは、インドの代表的な神の”クリシュナ”を最高神とするヒンズー教宗派の聖地の1つ。2022年完成予定の今ここで建設中の寺院は、寺院の建物として、世界で2番目に大きくなるとのことです。

訪問先の聖地での戒律では、食事は菜食です。更に、禁酒でもあります。ところで、なぜ、戒律として、菜食としているのでしょうか?それは、ヒンズー教の聖典の一つ、”バガヴァッドギーター”にあります。その聖典の教えとして、神に供えた食べ物を頂くことが、推奨されています。そういう食事は、”プラサーダム”といいます。”プラサーダム”は、先ずは神に捧げるものですから、調理中、味見や試食もできません。日本でも、お寺や神社に供えられた食べ物の御下がりを頂くことは、功徳があるとされ、尊ばれている。

1970年頃、ビートルズはインドに傾倒してました。特に、故ジョージハリソンは、インド音楽のみならず、ヒンズー教、マントラ、菜食主義に熱心でした。彼の楽曲の”My Sweet Load”は有名。私は、最近まで、”My Sweet Road”だと、思ってました(笑)。

この曲の後半、コーラスでは、次のマントラが古代インドの言葉のサンスクリット語で歌われてますね。

Hare Kṛṣṇa Hare Kṛṣṇa

Kṛṣṇa Kṛṣṇa Hare Hare

Hare Rāma Hare Rāma

Rāma Rāma Hare Hare


↓は、ジョージ・ハリソンとプラサーダムの写真ですね!

少々、脱線。元に戻って、ここでの食事について書いていきます。

ここでの宿泊先はテンプルの施設内のゲストハウス(朝食・昼食付き)。宿泊したゲストハウスを含め、滞在の信者や巡礼者にはロシア人が多く、宿泊先のゲストハウスのコックはロシア人、という訳で、食事には、ちらほらロシア料理が!!!

インドに来て、ボルシチやシュード・サラダなど食べられるとは想定外!!!!

なぜか、コックはロシア人。
ところで、なんでロシア人が多いのか?ロシア人の他、外国人では、中国人も多いです。この施設内では、よく中国人と間違われました。ロシアも中国も国家統制された国であり、自由が制限されていて、そういう不満が新興宗教に入る理由になっているようです。

3月3日夜

コルカタには夕方、到着。ここから、タクシーに乗って、4時間ほどのドライブ。マヤプールには、夜の10時頃、到着。

ジャガイモとブロッコリーのサブジ、カボチャスープ、ビリヤニ、黒パン?、トマトサラダ

3月4日

ビリヤニ、パクチー・カレー、黒パン(ライ麦)のチーズ載せ(もうロシア的!!!)、フルーツ(地元で採れたバナナは最高、とても美味しかった!)

カッテージチーズ(牛乳豆腐)スープ、ビリヤニ風ライス、ヤーコン・サラダ、ラドゥ(インドの丸いお菓子のこと!)など

3月5日

クレープ、カッテージチーズ(牛乳豆腐)スープ、苺ヨーグルト、フルーツなど

ライス、カリフラワーとニンジンのサブジ、ゴーヤのサブジ、オリビエ・サラダ(ロシア風ポテトサラダ)、そしてボルシチ!!!!

3月6日

キチュリ(インドのお粥)、黒パンのチーズ載せ、フルーツ

ライス、ヤーコン・サラダ(?)、スープ(具は?)、天ぷら、シュード(ピンク色の料理、代表的なロシアのサラダ!!!)、デザートのケーキ、フルーツ

3月7日

キチュリ(インドのお粥)、黒パンの野菜チーズ載せ、フルーツ、デーツ(棗椰子の実)など

スパゲティー(ここはイタリアか!!!)、 カッテージチーズ(牛乳豆腐)スープ、サラダ、天ぷら、甘いお菓子


なんとも、インドに来て、5日の間、まだ、インドカレーらしい食事ができていません!

乗り継ぎのデリー空港のフードコートで食べたカレー(南インド)が美味しかった。

マヤプールは、ガンジス川の最下流に位置するところ。雨期に発生する洪水では、テンプルを含め、大人の胸あたりまで水が上がるらしい。今回のツアーでは、同行者の幾人かは、聖なる河、ガンガ(ガンジス川)で沐浴してました。私も若かったら沐浴してたかも(笑)。

マヤプール滞在最終日の前夜、ここで、結婚式があり、参列しました!インドでのロジア人(男性)と日本人(女性)の結婚式。

テンプルの事業としての炊き出しプログラムに参加。キチュリ(お粥)を葉っぱの皿に盛って、配ってます!

8日(金)の早朝、3時、起床。次の巡礼地、ブリンダーバンに向かうべく、チャーターしたワゴン車に乗って、コルカタ空港に向かいます。4時間のドライブ。

その2(ブリンダーバン)へ続く。

備考

※1

国際航空運送協会(以下 IATA=International Air Transport Association)では航空会社が共 通に提供できる機内特別食を決めており4文字のアルファベット(4 LETTER CODE)で表 示され,旅客が2つ以上の航空会社を乗り継いで目的地に向かう場合でも,予約時申し出 れば乗継便に引き継がれるようになっている。特別食は,宗教に伴う食材,調理方法等の 条件を備えた「宗教食」,健康に配慮するために食材等に制限を加えた「健康食」,その他の 特別なリクエストにより提供される「特別食」に分類される。IATAの4 LETTER CODEと その内容は以下のとおりである。

IATAミールコード(IATA meal codes)を以下に示す。

AVML - アジアのベジタリアンミール

BBML - ベビーミール

CAKE - 誕生日ケーキ (スカンジナビア航空)

BLML - ブランドミール

CHML - チルドレンミール

CLML - セレブレーションケーキの食事

DBML - 糖尿病食事

FPML - フルーツの盛り合わせ

GFML - グルテン非許容食事

HFML - 高ファイバー食事

HNML - ヒンドゥー教のノンベジタリアンミール

OBML - 日本のお弁当 (ユナイテッド航空)

JPML - 和食 (日本航空)

JNML - ジュニアミール

KSML - コーシャミール

KSMLS -コーシャミール (スナック)

LCML - 低カロリーの食事

LFML - 低脂肪の食事

NBML - ノービーフミール (チャイナエアライン)

NFML - ノーフィッシュミール (ルフトハンザ航空)

NLML - 無乳糖食事

LPML - 低タンパク質食

PRML - 低プリン食

LSML - 低塩ミール

MOML - イスラム教徒の食事

ORML - 東洋の食事

PFML - ピーナッツ不使用の食事

RFML - Refugee Meal (ユナイテッド航空)

SFML - シーフードミール

SPML - 特別な食事、食べ物を指定

VJML - ベジタリアンジャイナ教の食事

VLML - ベジタリアンラクトオボの食事

VOML - ベジタリアンオリエンタルミール

RVML - ベジタリアン生ミール

VVML - ベジタリアンビーガン食事 (一部の航空会社はVGMLが必要)

インド路線を運航する航空会社の一部では牛肉を 使用しないヒンデュ食が基準食となっている。またインド路線ではヒンデュ食以外にその J. F. Oberlin University NII-Electronic Library Service - 56 - 居住地区によりベジタリアン食も多く提供される。ベジタリアン食は食材により5つに分 類される。卵・乳製品を使用できるベジタリアン食(Vegetarian Lacto-ovo Meal),まったく 卵・乳製品を使用していないベジタリアン食(Vegetarian Vegan Meal),生野菜のみのベジ タリアン食(Vegetarian Raw Meal),厳格な菜食主義者のジャイナ教徒を対象としたベジタ リアン食(Vegetarian Jain Meal),また果物だけしか食べない旅客への(Fruit Platter Meal) に分類されている。

野菜ソムリエコミュニティちば 

クラフトビール研究会

コミュニティ畑(柏)管理人 落合 修

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